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トレランはNG、走るのはOK


ウチサカ)
この前、高尾の山域を管理整備する東京都のレンジャーさんたちと一緒に山を歩いて、楽しい時間を過ごしたのに、数日でそのいい気分がぶち壊されてしまいました。

同じ東京都の管理する都内の細長い綠道公園、園内はすべて土の道。え、こんなところに?  の小さな森があって、トレイルの横に水路が引かれ、そこに鴨の一家がいて、木漏れ日が水面を輝かせています。クルマの走行音がなけりゃパリ・ブローニュの森そのもの。



わあ、東京とは思えないなあ、なんて仲間と話していたら、目の前に大きな利用の注意看板。ずらずらとごく当たり前なことが書かれていて、最後に


「トレイルラン等は禁止」


え!?

長いこと山を走っているけど、はじめて見たトレラン禁止。山の中でなく、町の綠道公園でです。

そーか、この公園は走っちゃいけないのか。端から端まで1.2kmのトレイルもったいない なあ、がっかり。とぼとぼ鴨たちのあとをついてっていったら、もうひとつの看板があら われました。

「公園内での集団・団体でのクロスカントリーやトレイルランは禁止です」

「個人で園内を走られる方は、歩行者への配慮をお願いいたします」


ええ!?

さっきは「トレラン禁止」。
こんどは「集団は禁止」、「個人で走るなら、歩行者への配慮をお願い」。


トレランはダメ、走るのはいい


トレランはダメ、集団トレランはダメ。でも、ひとりで歩行者に配慮するなら走っていいよ、と。同じ園内、同じトレイル。「トレイルラニングはNG」で「走るのはOK」ってどういうこ と。ああー、わかんない。

公園管理の事務所に問いあわせました。

たくさんたらい回しにされだけど、わかりました、疑問氷解です。公園管理の都の職員さんは、このように考えています。

「トレイルランは危ないですから、この公園ではやめてもらっています。歩行者とぶつかって問題が起きて、高尾では禁止されているらしい (*) じゃないですか」

なら、ゆっくりの「健康ランニングなどはいいんですか?」って聞いたら、
「もちろん OKです、危険な走りでないならOKです」と。


スピードを出すことが(歩行者に対して)危険だからダメ、ゆっくりなら(歩行者に対して)安全だからOK、という職員さんの考えです。
それは間違っていないし、強く賛成するけれど、その先に大きな誤解がある。


トレイルラニングは土の道を、歩行者に配慮することなく、すっ飛ばすスポーツ。トレイルランナーはそんな危ない走りをする人たち。
トレイルラニング/トレイルランナーは危険なスポーツです。山の暴走族です、乱暴な人たちです。

だから、公園でトレランは禁止です、トレイルランナーは公園を利用できません。


いえいえ、他人おかまいなしにぶっ飛ばすのがトレイルラニングではありません。景色を楽しんでゆっくり走る人もいます、多くの人は歩く人を気遣い、安全を優先して走ります。

立地や周辺環境、利用者の違いで公園利用のルールが異なるのは当然だと思う。けれど同じ東京都の公園で、トレイルラニングへの理解がこんなにも違うとは。いったん貼られた「山の暴走族」のレッテル、そう簡単には剥がせません。

「高尾マナーズ」、まだまだ道は遠いぞ。



まったくの誤解です。高尾山とその山域に「禁止」という看板も、区間もありません。けれど、東京都の公園利用ガイドには、高尾山頂につながる〈1号路〉を特定して「走らず歩きましょう」と明記されています。そして、高尾マナーズは〈1号路〉から〈6号路〉まで、また〈稲荷山コース〉は「走ることをおすすめしない」ではなく「走らないようにしよう」と考え、ホームページなどで表現を変えました。

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