高尾マナーズが立ち上がるまで
高尾マナーズのそもそもを説明します。
怒髪天を衝く。
去年の夏、陣馬山の手前。坂の下、登山道の脇でへたばっていたら、坂を下りてきたハイカーのおじさんにいきなり怒鳴られました、「山ぁ、走るんじゃねえよ!」。
おっかない顔をしてる。ええ!? どう返したものやら、もごもご言葉を探してるうちに、おじさんはスタスタ行ってしまいました。
トレラン禁止令。
怒髪天おじさん、いったいなにがあったんだろう? 「走るんじゃねえよ」というのだから、どこぞの誰かが走ることで、おじさんにイヤな思いをさせたに違いありません、もしかしたら危険な目に会わせたのかもしれません。
ふと、2014年の鎌倉事件を思い出しました。いちハイキング団体が鎌倉市に対してトレラン規制(簡単に言えばトレラン禁止令)を策定してほしい、と陳情したのです。なんと、これが鎌倉市議会で討論すべき議題として採択されてしまいました。
鎌倉トレラン危機一髪。
鎌倉を愛するトレイルランナーたちの活躍で、トレイルラニングの規制(あるいは禁止)条例は策定されず、以下を迷惑行為とし、行わないようにしましょう、というマナー啓蒙の条例になりました。つまり鎌倉はトレラン禁止からまぬがれることができたのです。
鎌倉市の定める迷惑行為とは
- 山道等の狭い場所や混雑した場所で、走りながら歩行者を追い越し、又はすれ違いを行うこと。
- 山道等の狭い場所や混雑した場所で、走行タイムを競う競技会等を開催すること。
高尾山は大丈夫か?
おじさんひとりではなく、ランナーにイヤな思いをさせられた人が増えて、毎月10人にもなったら? 彼、彼女、彼らが東京都や八王子市に「トレランを禁止してほしい」って訴えたら? TVや新聞に「トレイルランナーのこんな目に遭わされました」っていいつけたら?
高尾マナーズ発足。
高尾がトレラン禁止にならないように、高尾マナーズを作りました。
高尾でランナーが暴走族と呼ばれないように、高尾マナーズを作りました。
高尾で歩く人と走る人が、共に楽しい時間を過ごせるように、高尾マナーズを作りました。
国内外で活躍するトレイルラニングの選手たちが、白い目で見られないように、高尾マナーズを作りました。
高尾山、歩いてすれ違いましょう。
高尾マナーズはランナーのためにマナーガイドを作りました、このような内容です。
歩く人と走る人が出会うから差異が生まれます、歩く人同士が出会うなら違いはありません、そして安全です。
- 歩く人に出会ったら、まず挨拶しましょう。そして走ることをやめて、歩いてすれ違いましょう。
- 歩く人に追いついてしまったら、まず挨拶しましょう、こちらの存在に気づいてもらいましょう。後ろについて歩き、道が広くなったところで、歩いて追い越しましょう。もし、前を歩く人が脇によけて道を譲ってくれたら、お礼を言いましょう。
高尾マナーズはたった3人の組織です、内坂庸夫、小林大充、桑原慶。でも、われわれの活動に賛同し、支援してくれる人たち、手伝ってくれる選手たち、ブランドが増えています。とてもうれしいです。
はい、ここまでが高尾マナーズそもそものお話。